虹のかなた〜Second Love〜(実話)
『親父!まだ早いって!明日生まれてくるわけじゃねぇーのに!』
外から雅兄とお父さんの声が聞こえた
智也と外に出てみると、頭にタオルを巻いて、鉛筆を耳に付けたお父さんが何かを必死に作っていた
『親父、何作ってんだよ!こんなに材料持ち込んで!また母ちゃんに怒られるぞ!』
『可愛い孫のお城だよ!じぃじの手作りベッドで沢山寝てもらわんとな』
『もう、自分をじぃじって呼んでるよ!いわゆる孫バカだな(笑)』
あたし達はそんなお父さんの姿をずっと笑っていた
『兄貴、これ見てくれよ』
雅兄が一枚の大きな紙を智也に見せた
それは家の設計図だった
『何だよこれ。今度の仕事か?』
『あほ!兄貴達の家だよ!俺が設計してやるから兄貴が作れよ!俺からの結婚祝い。早く俺も結婚してぇな!』
『雅也…ありがとう』
思いがけない雅兄からの大きなプレゼントだった
リビングをいつも眺められるカウンターキッチン
可愛い子供部屋
オシャレな寝室
星が眺められる窓
雅兄の設計図はあたしと智也と赤ちゃんの未来が沢山詰まっていた