純白小悪魔 [仮]
居酒屋に着いて
あたしはすぐに
溜息を漏らした。
向かいながら
必死に話したから
つかれたんだ。
『大丈夫?
疲れてるみたいだけど…』
「大丈夫」
とりあえず
注文を済ませると
あたし達の間には
しばらく沈黙が続いた。
『あのさ…』
沈黙を破った
イチの声に
ビクッと体が
反応する。
身を強張らせている
あたしに気づかないのか
イチは言葉を
続けようとする。
イチの開きかけた
口を見て
あたしは思わず
ギュッと目をつぶる。
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