純白小悪魔 [仮]
フワッ
石鹸のいい香りと共に
あたしの頭は
誰かの腕の中に
納められた
見上げると
目線の先には
さっき下着売場で
会った男
「何するの?」
ハッとして
あたしは男から離れる
『泣いてる子見て
ほっとける程
冷たい人間じゃないよ』
頬に手を当てると
いつの間にか
涙で濡れていた
カズのことを考えると
いつもそうだ
申し訳なくて
情けなくて
もう会えないのに
会いたくて
色んな気持ちから
知らず知らずのうちに
涙があふれている
.