純白小悪魔 [仮]
あたしは挨拶
するでもなく
涙が溜まった目で
キッと彼女を睨むと
振り返り走った
『え?
おいっ
ケイちゃんっ?』
イチの止める
声が聞こえる
あたしは耳を塞ぎ
ひたすら走った
マンションから出て
イチの声が届かない
遠くへと走り続けた
「キャアッ」
ドテッ
10分程走ったところで
躓いて転んだ
ピンヒールなんかで
無理に走るからだ
「いっつ…」
立ち上がろうとすると
左足が痛んだ
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