純白小悪魔 [仮]
5
『いた』
あたしの視界は
急に真っ暗になった
聞き覚えのない
声と一緒に
誰かに抱きしめ
られている
そう気づくのに
少し時間がかかった
でもその人は
あたしを抱きしめるには
余りにも華奢で
小さかった
その人はあたしを
優しく撫でた
『ごめんね』
身体を離すと
あたしの前に
しゃがみこんで
そう言った
あたしは黙って
首を横に振った
ユキさんだった
.