純白小悪魔 [仮]
『何してんだよ』
イチに頬を叩かれた
「別に。
帰るだけ」
叩かれた頬は
ジンジンと痛んだが
負けず嫌いなあたしは
それを表情に出さず
冷たく言った
『心配したんだよ?』
「別に心配してなんて
言ってないし
心配されたいとも
思ってないから!」
あたしは勢いよく
言うとイチの手を
振り払った
駅の中はとても
騒がしいのに
あたしとイチの
周りだけ
音が消えてしまった
ように感じた
あたしは呆然と立つ
イチを尻目に
改札に向かって
歩きだした
.