純白小悪魔 [仮]
あたしは目線を
カズの部屋の方にやる
あそこにはもっと
カズの匂いが
残っている
『カズの部屋
いってらっしゃい』
あたしの視線に
気づいたのか
来る度にカズの部屋に
行くからなのか
おばさんはそう
あたしに声をかけた
「ありがとうございます」
あたしは立ち上がると
カズの部屋へと急いだ
別に急ぐ必要はない
カズはもう
いないのだから
それでも自然と
足が早くなる
.
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