Dark of Hearts
第1章

★闇が巣くう世界★

必ずしも人の心に存在する闇。



この闇が増幅されると人々は欲望のままに暴れ狂う。





『ケンゴー、起きなさい!!』

ケンゴは母親に起こされ目を覚ました。

『ふあぁぁぁー…7時か。学校めんどいなー』

ケンゴは眠い目をこすりながら、制服に着替え1階へと降りて行った。

ケンゴが居間に行くと母親と父親はTVに夢中だった。

『母さん、ご飯はー?』

ケンゴは母親に朝食の用意を頼んだが、母親はTVに夢中だった。

ケンゴは仕方なく自分で味噌汁を温め、朝食を済ました。

『なあ、二人ともさっきから何を見てるの?』

ケンゴは食い入るようにTVを見ている両親に尋ねた。

『ほら、ケンゴ。お前も見てみろよ…凄いぞコレ』

父親はケンゴにTVを見るように薦めた。

『どうやらこの巨大な大穴は、昨夜の内に出来た模様です。直径300mはあるこの穴の中からは、黒い煙が立ち上ってます』

TVのリポーターは現場から中継していた。

『何この大穴は?』

ケンゴはTVに夢中の母親に尋ねた。

『どうせ誰かがゴミ捨てるのに掘ったんでしょ!?』

『ふ〜ん、凄い暇人なんだなぁーその人も』

『ケンゴ。さっさと学校行きなさい、遅刻するでしょ』

母親はモタモタしているケンゴに注意した。

『わかってるって…じゃあ行ってきま〜す』

ケンゴはお茶を口に含み、鞄を背負って靴を履き家を出た。

ケンゴが学校へと歩いていると、突然後ろから背中を押された。

『ケンゴおはよう♪』

ケンゴの親友タツキが声をかけて来た。

タツキは兄貴肌で面倒見は良いが、すぐ調子に乗る癖があるのが問題だ。
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