Dark of Hearts
『うーす』

タツキに続いてリュウトが声をかけて来た。

リュウトは基本的に凄く良い奴で中学からの親友。だけど、少し常識足らずなのが問題だ。

『なあ、今朝のニュース見た?見た?』

タツキは朝っぱらからハイテンションだった。

『あの大穴ヤバいよな?何であんな穴が開いたんかな?』

リュウトがタツキの話に乗っかって来た。

『…暇人がゴミを捨てるために掘ったんだよ』

ケンゴは朝っぱらからの興味のない話に少しうんざりしていた。

『そうなん!?世の中そんな暇人もいるんやな』

リュウトは納得した様子だった。

『リュウト!!納得するなよ…そんな訳ないだろ!!ケンゴもさ、リュウトは信じやすいから適当な事言うなよ!!』

タツキは歩いているケンゴとリュウトの間に入って来た。

『なあ、今日のテストどう?自信は?』

タツキは急に話題を変え、二人に尋ねた。

『ワシめっちゃ社会自信あるで』

リュウトは何故か自信に満ち溢れた様子だった。

『リュウト…お前はいっつも口だけだろ?自信があるなら100点取って見ろよ』

タツキはリュウトと肩を組んだ。

『いーっ…口だけ違うわ!!おーし、なら100点くらい取ったるわ』

リュウトはガッツポーズをした。

『あっ、何だろコレ?』

ケンゴは突然足元に落ちていた、1mくらいの虹色の紐を拾った。

『何それー?』

リュウトが興味を示し寄って来た。

『えー、凄い綺麗じゃんこの紐』

タツキも興味を示し寄って来た。

『…じゃあさ、この紐を3等分にして、友情の証って事で腕に着けとこうよ』

ケンゴは紐を3等分にし、3人はそれぞれの腕に着けた。
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