Dark of Hearts
『敵いっこないわよ…』

レイラは不安げに言った。

『それはどうかな!?』

タツキはそう言ってガルちゃんの背後に回り込んだ。

『ヤーイ、ヤーイ、ガルちゃん♪お尻ペンペン、チンチロリーン♪悔しかったらここまでおいで♪』

タツキは大声でガルちゃんを挑発した。

グガァァァーー!!

ガルちゃんは方向を変え、タツキの方に向かって行った。

『いーっ!!ホントに来やがった!!』

タツキは慌てて走りだし、全速力で逃げた。

グガァァァーー!!

ガルちゃんは雄叫びをあげながらタツキを追い掛けた。

『逃げるのカッコ悪いって言ってたのに逃げてるし…』

レイラは唖然としていた。

『あれは作戦だよ。それにタツキは足だけは速いから大丈夫だし、俺たちは先回りしなきゃ。レイラ行くよ』

そう言ってケンゴはレイラの腕を引っ張り、消火器を片手に先回りに向かった。
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