Dark of Hearts
『クソー!!』

タツキは悔しがった。

『タツキー!!』

そんな時、廊下からケンゴとリュウトの声が聞こえてきた。

『ダクトの仲間が迎えにきたみたいだな。今日は引き下がっておこう』

そう言ってスザクはタツキに歩み寄った。

『お前の中の闇のパワーを開放しろ。そしたらお前は誰よりも強いぞ。俺の弟であり、ダークキングの息子ダ・ク・ト』

スザクはタツキの耳元でそう呟き、黒い煙となって消えていった。

『ダークキングの息子…ダクト…』

タツキは頭の中がこんがらがっていた。

『タツキー』

ケンゴとリュウトが音楽室のドアを開け入ってきた。

『タツキ無事だったか?…タツキ?』

ケンゴは呆然と立っているタツキを見た。

『えっ?ああ、俺は大丈夫だよ』

タツキは心配をかけないように、何もなかったかのようにニコッと笑った。
< 45 / 76 >

この作品をシェア

pagetop