Dark of Hearts
『きっと、みんなわしの強さにビビってるからやで』

リュウトは自信に満ちた顔でそんなことを言った。

『…あっそ』

ケンゴはリュウトの言葉をさらっと流し、家電量販店の中に入った。

『なあ、タツキ…』

リュウトはタツキに声をかけた。

『何?』

『ケンゴってたまに冷たいよなぁ…さっきの冗談やのに、あっそで流さんといて欲しかったわー』

リュウトは軽く凹んでいた。

『まあリュウトが空気を読まずにさ、つまらない冗談を言ったから悪いんだぞ。本当にリュウトはKYなんだからさ』

タツキもそう言って家電量販店の中に入った。

『わし…KYかよ…』

リュウトもしょげながら家電量販店の中に入った。

『えっ!?』

店内に足を一歩踏み入れたケンゴは、景色がねじ曲がるような違和感を感じた。

『どうしたんだよ?ケンゴ』

違和感を感じているケンゴにタツキが尋ねた。
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