Dark of Hearts
『うおぉぉぉ!!』

金属バットを持った男が奇声をあげながら、凄い形相でケンゴに殴りかかって来た。

『うわぁー!!』

ケンゴは怯んだ。

『怯むな!!怯まずその剣で相手を斬りなさい!!』

『えーっ、斬れって…斬ったら俺、人殺しじゃんかー!!』

『斬らなかったらあなたが死ぬわよ!!』

『くそーー!!夢なら早く覚めろぉー!!』

金属バットがケンゴの頭に当たる瞬間に、ケンゴは大声で叫んで変な男を斬りすてた。

ボン!!

ケンゴが男を斬ると同時に男の体が光り輝き、何かが破裂するような音がした。

斬られた変な男は気を失い倒れた。

『あわわわわ、俺斬っちゃったよ…ど、どうしょう?』

ケンゴは手を震わせ、慌てていた。

『こ、こうなったら見つからないように、埋めるしかない』

ケンゴは素手で公園の土を掘り始めた。

『…あ、あなた何やってんのよ?』

レイラは土を掘るケンゴを見て情けなくなった。

『掘るのストップ!!あのね、この男は気絶してるだけだから』

レイラはケンゴに穴を掘るのを止めさした。

『気絶?そんなバカな…だって俺が剣で斬ったんだよ?』

『あなたが斬ったのは、この男の心に存在する闇よ。だからさっきボンって音が聞こえたでしょ?あれは闇が破裂する音よ』

『…よく分からないけど、俺は人殺しじゃないってこと?』

『ええ。だから安心しなよ』

レイラのその言葉を聞き、ケンゴは胸を撫で下ろした。

『あのー…コイツら一体何なの?』

ケンゴはレイラに説明を求めた。

『あなたは巨大な大穴を知ってるわよね?』

『うん…もちろん知ってるけど…』

ケンゴは、またその話かよみたいな感じだった。
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