Dark of Hearts
『あの大穴は闇の世界に通じているの。それであの大穴から発せられる闇パワーが、あなたたち人間の心の闇を増幅してるのよ』

レイラは公園のベンチに座り、状況を説明した。

『はあ?…そんな話信じられるかよ!!』

『…あたしはその闇に立ち向かえる人を捜して、この地上に舞い降りたのよ』

『じゃあ…何で俺はみんなみたいに変にならないんだよ?心に闇がなかったのか?』

『心に闇のない人間なんていないわ。…あっ、あなたのその腕の紐!!それのお陰よ』

レイラはケンゴの腕の虹色の紐を指さした。

『えっ!?これ?』

『それはシャインストリングスって言って、闇パワーから身を守ってくれるのよ』

『この紐のお陰か…』
ケンゴはまじまじと虹色の紐を見つめた。

『逆にその紐をはめてるから、心の闇が増幅した奴らに狙われてるのよ』

『だからか…あっ!!じゃあ、タツキとリュウトも危ないじゃないか!!』

『ちょ、ちょっとケンゴ!!どこ行くのよ!!』

レイラは突然走り出したケンゴを呼びとめたが、ケンゴはその言葉を無視しタツキとリュウトを捜した。

その頃タツキは路地裏で、3人の鉄パイプを持った女性に襲われていた。

『ちょ、ちょっと待てよ!!ナンパしただけなのにそんなに怒らなくても…』

タツキは3人の女性に囲まれ、逃げ場がなかった。

『ぐふふ…光…消えろ』

3人の女性はタツキをじわじわ追い詰めた。

『俺は光じゃなくて、タツキ!!人違いだって!!』

タツキは困惑していた。

『消えろ…光』

3人の女性は鉄パイプを振りかぶって殴りかかった。
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