恋々

「待ち合わせはどこなのー？」


二人並んで歩きながら
ヒトミに問う。


「ん。駅！無難じゃん？」


携帯をピコピコ弄りながら
ヒトミは返事する。


なんか、会えると思ったら
緊張して来た。


大好きな制服が、
やけに恥ずかしく感じる。


ヒトミは身長も程よくあるし
可愛いってより、
美人だし、
スタイルもいいし、


なんか、
並んでて恥ずかしく感じる。


「どーした？ちぃ」


黙り込む私に、
優しく声を掛けてくれる。


ヒトミも、
凄く良い子なんだよね、



「可愛くなりたいなぁっておもって」


ぽつりと呟く私に、


「シュウのために？」


ニヤついて、ヒトミは聞き返す。


シュウのため？


考えるだけで顔が赤くなる。



「それはっ、」

返答に困って、
言葉がつっかかる時、


後ろから、肩を掴まれた。



「こんにちわ」

肩に触れる、生暖かい感触と
聞き覚えのある、
甘い声に、



「うわっ」


思わず過剰に反応する。