SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐
きっとあの学校には新斗のファンもいるよね。
ってことは余計騒がれるんじゃないかな…?
「どうしたのーリンカ?
元気ないじゃない。せっかくの大きな仕事なのに」
メイク担当の佐瑞--サミズ--さんは、いつもあたしのちょっとした変化に気ずいてくれる。
「ちょっと悩み事があって……」
「メイクをしているとね、その人の心が分かるの。
気持ちって言うのは、
自然と顔に出ちゃうものなのよ?」
あたし……顔に出てたんだ…。
「もし佐瑞さんが芸能人だとして、
それが周りにバレた時…
どうしますか?」
答えはいつも暗闇のなかにあって、
分からない未来を自分の手で掴まなきゃいけない…。
けど、いつまでたっても見つからない時……
そんな時は、誰かからヒントをもらう。
――……それも、必要だよね?
「難しい質問ね。
でも、私だったら……
堂々としてるわ。
そりゃ芸能人にはそれぞれに、必ずイメージがある。
でもね?例え今まで隠してきた事がバレてしまっても、
"素"の自分でいればいいじゃない。
それを理解してくれるのが、その人にとっての、
本当の"ファン"なんじゃないかしら?」