SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐
菻榎-Side-


四角く並んだ長いテーブルと椅子。


最初は空いていた席もだんだんと埋まっていき

空席は残り2つになった。



「あとは……
フロマージュプロダクションのニイト君ですね」





もしかしてニイトは――……



その時だった。



――ピリリリリリ



田室さんの携帯が鳴り出す。




「ちょっと失礼…」



田室さんは席を立ち、部屋を出た。




「真面目に言っているんですか!?!?」



田室さんの大きな声が廊下を通して聞こえてきた。





胸騒ぎがする。



数分後田室さんが戻って来た。


そして席についた後、ゆっくり口を開いた。




「ニイト君が……
このドラマを引き受けないらしい。
何度も説得しているらしいんだが……」



――やっぱり。




「田室さん…
あたしちょっと行ってきます!!」



「はっ?!リンカ、ちょっと待て!
打ち合わせはどうするんだ!!」




マネージャーの言葉を無視し、
あたしは無我夢中で走った。






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