SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐
何でだろ?
気ずいたら勝手に足が動いてて…
あたしってこんな必死になれるんだ。
…そう、感じた。
久しぶりに走ったな…
この風を切る感触が、妙に心地よかった。
新斗の事務所まで…
「あと少しだ…」
なのに信号で引っかかってしまった。
「…はぁ…ハァ」
久しぶりに走ったせいか、息も大分上がってる。
「ねぇねぇ、あれってもしかして“リンカ”?」
不意に聞こえた声に驚き、声のした方へ振り向いてしまった。
「本当だ!リンカじゃない?」
しまったな……。
サングラス掛けるの忘れちゃった。
これじゃあ皆にバレちゃう。
そしたら新斗の所に行けるのは何時になる?
「リンカちゃんですよね?!あたし、ファンなんです!
サインもらえますか?」
どうしよう?
もしここで、OKしたら皆に書かなきゃいけなくなる…。
でも、ファンは大切にしないと………
「今はちょっと急いでるんで握手ならいいですよ?」