SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐
田室さんはあたしを守るように隣に立ち、車に乗せてくれた。
「……ごめんなさい」
きっと怒られる。
「当たり前だ」
ほら、
いつもならミラー越しに目を合わせてくれるのに
今日は見むきもしてくれない。
「今から新斗を説得しに行くのにそんな顔じゃ、
説得どころかお前が心配されるぞ?」
「えっ…!?!?」
今…説得しに行くって…
「ちゃんと、とびきりの笑顔を用意しておけ」
「ありがとうございますっ!」
「その代わり……
これから寝る暇もないくらい仕事詰めていくからな」
やがて車は新斗の事務所についた。
新斗……
分かってる?
アンタはさ、
皆にとってどれだけ大きな存在かって……
あたしは分かるから
みんなの気持ちが…
分かるから……―――
「出演断るなんてあたしが絶対許さない…」