SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐
マネージャーさんは気を利かせてくれたのか、
あたしと新斗の二人きりにしてくれた。
静かな部屋…
物音さえも聞こえない。
本当に新斗がいるのかとさえ思う。
「……新斗?」
やっぱり返事はなかった。
あたしはドアに手をかけて開けようと試みた
…が、当たり前のように鍵が掛けられている。
「――バカ…バカ新斗
新斗のプロ意識って…、新斗のモデルに対する気持ちって……
こんなちっぽけなの?」
「………」
「新斗は……、
新斗は何の為に、誰のためにこの仕事を始めたの!?」
きっとこの声は新斗に届いてる。
この一枚の分厚い扉。
新斗の心の扉…――。
何故か分からないけど、ドア越しに温もりを感じた。