SECRET☆HONEY‐秘密の彼女‐


放課になったけどあたしは一人でいた。


何人かは話しかけてくれたけど、結局離れていっちゃった。


全く……

みんなあたしのこと表面しか見てくれないんだ。



隣の地味な藤咲くんとやらは鐘が鳴るとどこかへ行っちゃったし~…。


あたしも同じ所に居たら息が詰まるからこの教室から出る事にした。


―――――――――――――――――……



中庭を何となく歩いていたら大きな木を見つけた。


あたしは、青々しい葉を揺らすその木に、
引き込まれるような感覚がした…。


思わず近ずいてみる。



するとその木の反対側には―――……




「うそ―…」



あり得ないくらい格好いい人が、
大きな木の下でもたれ掛かる様に眠っていた…。


まるでどこかの国の王子様のような顔。


長い睫毛に縁取られた目はきっと大きな二重だろう。

あたしはその顔をジッと見つめた。


どこかで見たことがある…。


でも分からない――


誰?
どこで会った?


こんな格好良かったら忘れるはずがないのに―…




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