嫌いな男 嫌いな女
むすっとピザを食べ続ける。
ああいう男子大嫌いだ。うるさいだけの男なんて最低。
「ねーちゃん、帰ったあと、かーちゃん焦ってすごかった」
「ほんとよ、もう。奥さんとふたりして頭下げあってもう」
「巽くん、ねーちゃんのことまだ男だと思ってんじゃねーのー?」
「隆太うるさい! バカ」
「バカっていうほうがバカなんだよー! 男女!」
「うっさいな!」
隣でからかい始めた隆太の肩をバシッと叩いた。
「美咲! あんたはなんでそう手が早いの!」
その様子を見て母親がすぐに一喝。
……それを見て隆太が憎ったらしい顔をして私を見てくる。
どいつもこいつも、ムカつく! 男なんてみんなバカばっかり!
「まあまあ、母さんも美咲もせっかくの新しい家での初日だぞ? 楽しくしないとこの家が悲しむぞ?」
父親が私たちをなだめるようににこりと笑って言うと、母親がため息をついて怒るのをやめる。
……家ねえ。
ほんっと、引っ越してきたばっかりで、朝はあんなにワクワクしてたのに。
あいつのせいでもう最悪の気分。