わがままモデル王子は甘い香り

「モデルでしょ？」

「モデルだ」

俺は大きく頷く

「身体を大切にしなくちゃ」

「それは莉緒のほうだ
妊娠してるんだから」

莉緒は目を大きく開けてからくすくすと笑いだした

「もしかして、吐き気ってつわりのこと？」

「あ、ああ
ドラマで『うっ』ってなって初めて妊娠に気づくもんなんだろ？」

俺は口元を手を覆って、気持ち悪いふりをしてみた

それを見ていた莉緒はますます大きな笑いになって、腹をかかえた

「それって生理が不定期な人か、忙しくて次の生理を忘れてる人じゃないの？
私は２８日周期できちんとくるから、生理が来ない時点でわかったよ
桜嗣とエッチした時点で、排卵時期だったし『もしかしたら？』って思ってた
だから生理が来ない時点で、すぐに調べたよ
それから病院にいってきちんと診察してもらったの」

「え？　そうなのか？」

「そうだよ」

莉緒が面白そうに笑いながら頷いた