わがままモデル王子は甘い香り
深夜0時すぎ

莉緒の携帯が鳴った

またかよ!

莉緒が慌てて電話に出ると、ベッドを飛び出して廊下に出て行った

学習能力にねえ女だな

深夜0時に電話するってさ
失礼だろ

…て思わねえのかよ
苛々すんな

俺は寝ているのを邪魔されるんのが嫌いなんだよ

『場所……当日になったら……え?
桜嗣に?
えっと…もう寝てるから…』

また俺かよ!
俺と話したいだけってわけか

春って女
気になった男はとことん追うタイプだな

妻帯者だろうが気にせず
落とすまで追いかけるヤツだな

面倒くせえ

ああいう女って
なんでかわからねえけど、自分に自信があるんだよな

『私、綺麗だから』って鼻にかけてるんだ

だから余計に面倒くせえ

「莉緒!
りーお」

俺は寝室から莉緒を呼んだ

莉緒は部屋のドアを開けると、不思議そうな顔をした

「いいよ、かわるよ」

俺は手を差し出した



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