わがままモデル王子は甘い香り
「指輪、してるね」
莉緒が視線を動かして、俺の指を見つめた
俺は左手を持ち上げると、指輪が見えるように莉緒に見せる
「ああ」
「もう外さないでよ
それと離婚届も嫌だからね」
「……なあ、なんで知ってるんだよ」
莉緒は手術台で治療を受けていたんだ
麻酔で眠っていたはずなのに
なんで俺の行動を知っているんだよ
おかしいだろ?
「……え?」
莉緒が目を開けて不思議そうな顔をした
「あれ? 夢、だったのかな?
現実っぽかったんだけど……」
「その時間、莉緒は手術を受けていたんだよ
どうして俺の行動を把握してたり、義父さんの行動を知ってるんだ?」
「小さい光がね……桜嗣のまわりにいたよ
たぶん、あれ、赤ちゃんの命だったんだと思う
覚えてるのは、桜嗣がずっと手術室の前でぐったりしてる隣に光が膝の上にいたの
あとはお父さんが桜嗣を殴ってた
『行かないで』って言ったのに、桜嗣、区役所に行って……
指輪をテーブルに置いてた」
ほとんど見てんじゃん
格好悪りぃ姿を全部、見られてた
恥ずかしいなあ
莉緒、死と隣り合わせて戦ってたんだな
「赤ちゃんが見せてくれたのかな?
このままだと、パパが離れてっちゃうよ!って」
莉緒がくすくすと笑った
「墓、作るか?」
「うん」
俺は莉緒の手を握った
莉緒が視線を動かして、俺の指を見つめた
俺は左手を持ち上げると、指輪が見えるように莉緒に見せる
「ああ」
「もう外さないでよ
それと離婚届も嫌だからね」
「……なあ、なんで知ってるんだよ」
莉緒は手術台で治療を受けていたんだ
麻酔で眠っていたはずなのに
なんで俺の行動を知っているんだよ
おかしいだろ?
「……え?」
莉緒が目を開けて不思議そうな顔をした
「あれ? 夢、だったのかな?
現実っぽかったんだけど……」
「その時間、莉緒は手術を受けていたんだよ
どうして俺の行動を把握してたり、義父さんの行動を知ってるんだ?」
「小さい光がね……桜嗣のまわりにいたよ
たぶん、あれ、赤ちゃんの命だったんだと思う
覚えてるのは、桜嗣がずっと手術室の前でぐったりしてる隣に光が膝の上にいたの
あとはお父さんが桜嗣を殴ってた
『行かないで』って言ったのに、桜嗣、区役所に行って……
指輪をテーブルに置いてた」
ほとんど見てんじゃん
格好悪りぃ姿を全部、見られてた
恥ずかしいなあ
莉緒、死と隣り合わせて戦ってたんだな
「赤ちゃんが見せてくれたのかな?
このままだと、パパが離れてっちゃうよ!って」
莉緒がくすくすと笑った
「墓、作るか?」
「うん」
俺は莉緒の手を握った