loveratory〜恋する研究室〜
1.金髪・ピアス・白衣
「じゃあね、お疲れ〜!」
午前中の授業を半分眠りながらもなんとかこなし、教室を飛び出す。
「若菜〜っ!!」
窓から顔を出した浩実が私を呼び止める。
「何?」
「何?じゃないよ。今日は午後から実験でしょ?」
「実験?ウソ……。」
すっかり忘れてた。
「お昼、食べに行くよ。ちょっと待ってて!」
浩実の顔が教室の中に入り、すぐにドアから出てきた。
「さっ、行こー!」
「浩実、テンション高い。」
「上げないとやってらんないから。」
ニコニコ笑いながら、浩実が言う。幸せそうだ、この子は。
「浩実?」
「ん?」
「何かいいことあった?」
スキップしながら私の前を進む浩実は、振り返るとニヤリと笑った。
「ふふん。訊きたい?」
「うーん、いいや。」
「えーっ、何で?」
「うん、めんどい。」
「ヒドーイ、聞いてよっ!」
「はいはい、どうぞ。」
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