loveratory〜恋する研究室〜
「あぁ……先輩。」
何となく呼んでみた。
別に深い意味はない。
ないと思ってたんだけど。
「何?今日も機嫌悪いの?」
ニヤッとかわいい八重歯を見せて、イタズラっぽくカワサキは笑う。
「先輩……先輩……。」
「何?」
たくさんの後輩の中の一人、機嫌が悪かった私を覚えていてくれたことが嬉しかった。
「先輩、好きって何?」
思わず、口を突いて出た言葉。
何言ってんだ、私。
「……は?」
そうだよね。
そうなるよね、普通。
「……何でもないです。ごめんなさい。」
ペコッとお辞儀して、私は歩き出した。
「ちょっと待ってよ〜!」
浩実が私を追いかけてくる。
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