loveratory〜恋する研究室〜
4.恋する研究室
「若菜ぁ、研究室、決めた?」
アンケート用紙を前に、浩実が唸りながら訊く。
「決めたよ。」
ニッコリ笑って、ピースしてみせる。
「どこ?あぁ、そこか。」
浩実は、私のアンケートを覗き込み、納得する。
「何、その反応。」
「ん?訊いた私がバカだったな、って思って。」
私もそこにしよ、と言って、浩実はアンケートを書いた。
「でもさぁ。」
「何?」
「前の若菜からは考えられないよね。ベタ惚れじゃん。」
「そうかな。」
「告んないの?」
「告んないよ。」
「何で?」
「いいの。」
恋に落ちた。
それだけで、幸せだ。
「若菜にとっては、恋する研究室、だね。」
「だーかーら、恋したんじゃなくて、恋に落ちたの!」
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