loveratory〜恋する研究室〜

「若菜はさぁ、本気で人を好きになったりしないの?」

私たちの恋愛トークは、食事が終わって実験室に行っても続いていた。

「んー、ないねぇ。今のところ。」

「好きで好きでどうしようもないこととかないの?」

「ない……かな。」

「じゃあ、何で付き合うの?」

「何でって……。」

そんなこと、いちいち考えてない。私にとって、付き合うってことに、そこまで深い意味はない。

「私のことを好きって言ってくれてる人がいるなら、付き合ってもいいかな、って。」

「そんな軽い気持ちで付き合ってるの!?」

「軽くないよ!私だって、一生懸命好きになろうとしてるし。」

私だって必死だよ、好きになろうって。恋は50:50じゃなきゃ、って思ってる。

「好きの気持ちは、頑張ってどうにかなるものじゃないと思うけどなぁ……。」

「わかってるよ。私だってそのくらい。」


.
< 4 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop