loveratory〜恋する研究室〜
「若菜はさぁ、本気で人を好きになったりしないの?」
私たちの恋愛トークは、食事が終わって実験室に行っても続いていた。
「んー、ないねぇ。今のところ。」
「好きで好きでどうしようもないこととかないの?」
「ない……かな。」
「じゃあ、何で付き合うの?」
「何でって……。」
そんなこと、いちいち考えてない。私にとって、付き合うってことに、そこまで深い意味はない。
「私のことを好きって言ってくれてる人がいるなら、付き合ってもいいかな、って。」
「そんな軽い気持ちで付き合ってるの!?」
「軽くないよ!私だって、一生懸命好きになろうとしてるし。」
私だって必死だよ、好きになろうって。恋は50:50じゃなきゃ、って思ってる。
「好きの気持ちは、頑張ってどうにかなるものじゃないと思うけどなぁ……。」
「わかってるよ。私だってそのくらい。」
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