loveratory〜恋する研究室〜

無事(シゲヤマのお世話にならずに)、実験も終わり、片付けを始める。

「終わったら、報告してね。」

また、シゲヤマ?はいはーい、わかりましたよ。
返事をせずに作業を続ける。

「何か、機嫌悪くね?」

ボソッと呟く声が聞こえる。アンタのせいだよ。

「わかりました。」

ちょっと不機嫌になって振り返ると、そこにいたのはシゲヤマではなくカワサキだった。

「おっと、ごめん。わかってるならいいんだけど。」

カワサキが、私の顔を見て苦笑い。ってか、私も焦るんですけど。シゲヤマだと思ってたから。

「後で、片付け終わったら、報告に行きます。」

沈黙を埋めるように、一生懸命言葉を絞り出す。

「よろしく。」

カワサキはそう言うと、ニコッと笑った。
左右に覗く八重歯がかわいいと思った。


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