loveratory〜恋する研究室〜
「終わりました!」
片付けが終わった私は、すぐ近くにいたシゲヤマを避け、わざわざカワサキまで報告に行った。
「お疲れ様。帰っていいよ。」
「はい。ありがとうございました。」
ペコッとお辞儀する。
でもなぁ、浩実、まだ終わってないし。
浩実は、白く濁った液体の入った試験管を睨んでいた。
「何?友達待ち?」
浩実を見ていた私に、カワサキが話しかける。
「あっ、そうです。」
「ふーん。」
また、沈黙。なんか、居心地悪い。でも、自分の席に戻っても、周りの人の邪魔になりそうだし……。
「さっき、何で機嫌悪かったの?」
カワサキが気を使ってか、話しかけてくる。
「いや、別に、悪くなかったですよ、機嫌。」
「そうなんだ。ピリピリしてたみたいだったけど?」
「気のせいです。」
「そう?」
カワサキはまた、八重歯を出して笑った。
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