Mr.キューピッド
終わりは突然やって来た
「兄さん帰るよ!」
「うん、分かった。」
俺には同い年の双子の妹がいる。
兄の俺何かよりしっかりしていて、悔しいけれど学校での人気は高い。
同じ顔なのに……妹の方が人気者。妹が日当にいるのなら、俺は日陰にいる感じだ。
「天宮、今日も妹と帰るのか?」
「うん。」
「仲良いな。」
「うん。」
仲が良いって言われるのは結構好きだ。
普通だったら『そんな訳ないじゃん』とか言って誤魔化すんだろうけど、俺達2人は本当に仲良しだから誤魔化すことはないんだ。
シスコンとブラコンだからね。
「ごめんね佑音。佑音のクラスまだホームルームやってたから教室で待機してたんだ。」
妹の『佑音(ユネ)』の目の前にやって来て迎えに行かなかったことを謝る俺。
佑音は謝る俺に笑顔を向けて、
「大丈夫だよ。」
優しい口調でそう言った。
「それより兄さん、今日の夕飯焼き肉らしいよ。」
「焼き肉?」
「何でもスーパーで安売りらしくて……買って来いってさ。」
「母さん……」
人使い荒いよなぁ……どこの親もこういうものなのかな?
(焼き肉か……)
『しょうが焼きがいい』という期待を馳せながら、俺は佑音と一緒に学校を後にした。