Mr.キューピッド

「確かにお前の見た目、死んだ人間だわな。」
「え?」
「頭に三角付けて白装束……ここまでなってこんな所を彷徨いてる奴はここいらではお前が初めてだ。ククッ……面白い奴!」
「な……!」

この人……人の格好を見て笑ってたの!?
もの凄く失礼な奴!!
言われて少しだけ自分の今の格好を恥ずかしく思った俺は、後ろを向いて、うずくまりながら男の人をギロリと睨む。
今まで誰にも見られてなかったから何とも思ってなかってけれど、恥ずかしいよこの格好。

「見ないでくださいよ!」

俺を視界に入れないで!!
俺は叫びながら立ち上がって、丸くなりながら公園の中を走る。

「おいおい、そんな恥ずかしがるなよな。」

男の人はそう言うと、後ろからもの凄いスピードで、
『飛んで』きた。

「ええっ!?」

な、何で飛べるのこの人!!
呆気に取られていたら、いつの間にか俺の目の前にやって来て、俺の腕をもの凄い力で掴む。

「いった!!」
「逃げんなよなぁ?別に捕って食おうとか考えちゃいねぇんだからよ。」
「と、捕って食う!?」

物騒な例え方をしたよこの人!!


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