愛しのツンデレラ


その日、


姫が着ていたのは


スニーカーが


プリントされた服(たしか。)。




「どこらへん?」



何気なくきくと



「ここらへん。」



と、


その部分をなぞりました。



「なっ……」



私は吹き出しました。


完全に触れてるし。



「…。」



私はリアクションなしで


突っ立ってましたが、


姫がそれを見て



「どうしたの?」



と訊きました。



「今のさぁ、


…あたしなら半殺しかな?」



すさんだ笑みを浮かべると


姫は「あぁ…」と頷きました。


「うん、そうだね。」



下心がないとはいえ、


姫の胸を触るなんて……



「それがT氏だからね」


「…。」



私はまた、


すさんだ笑みで


姫を見返しました。



「…妬いてんの?」



申し訳なさそうに訊かれたので



「別に。」



と、何とでもとれる返事を




曖昧に返しました。




***
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