題名のない怖い話
「えぇとっても」
「侑は赤色が似合うな~」
そう、今日は侑の入学式。
小学校一年生になる侑はとても輝いてて、
いつもよりその笑顔は嬉しそうだった。
「侑!パパはお仕事だから、ママと一緒に行くよ。」
「うん!」
私は、侑に、一番上等の制服のような物を着せて
写真を撮ろうとした。
その時、侑がカメラを急いで止めた。
「まって!」
「何だい?」
「ランドセルも一緒にね!」
そう言うと、侑は嬉しそうにランドセルを背負い、
ピースをした。
パシャリ
写真撮影が終わると共に
侑はランドセルを背負ったまま、玄関に走る。
「侑?まちなさい!」
「ちょっと行ってくるー!」
「侑!すぐに戻ってらっしゃい!」
侑はピカピカの靴を履いて
ドアを開けて外に飛び出した。
私はそれを笑顔で見届ける。
食事を終えて、歯磨きをしおわった淳平が戻ってきた。