題名のない怖い話

「えぇとっても」

「侑は赤色が似合うな~」


 
 そう、今日は侑の入学式。

小学校一年生になる侑はとても輝いてて、

いつもよりその笑顔は嬉しそうだった。



「侑!パパはお仕事だから、ママと一緒に行くよ。」

「うん!」


 
 私は、侑に、一番上等の制服のような物を着せて

写真を撮ろうとした。

その時、侑がカメラを急いで止めた。


「まって!」

「何だい?」

「ランドセルも一緒にね!」


そう言うと、侑は嬉しそうにランドセルを背負い、

ピースをした。




パシャリ




写真撮影が終わると共に

侑はランドセルを背負ったまま、玄関に走る。



「侑?まちなさい!」

「ちょっと行ってくるー!」

「侑!すぐに戻ってらっしゃい!」



 侑はピカピカの靴を履いて

ドアを開けて外に飛び出した。

私はそれを笑顔で見届ける。

食事を終えて、歯磨きをしおわった淳平が戻ってきた。












< 2 / 14 >

この作品をシェア

pagetop