題名のない怖い話
急いで椅子から立ちあがると、私はハンドバックを片手に持って

急いで外に出た。

侑…どこにいるの…



「侑~!ゆーう!」

「侑!!でてきなさい!」

「入学式に遅れると、小学生になれないのよ!」



 せいいっぱいの大きな声で名前を呼ぶ。

時間が経つほど、不安は胸いっぱいにつのるばかりだ。

不安が大きくなるなか、次第に出す声も大きくなる。



「侑!侑!!!!出て来ないとママ怒るわよ!!!!」



探した。

庭のベンチの下も

家からすぐ出た道路上も

家の裏口の近くも



全て…探した

不安が喉からあふれでそうだ。

そして次第に目頭が熱くなる。



私の視界が涙でぼやけると同時に

淳平が声を張り上げた。



「いたぞ!侑!」



淳平は指をさしている。

その指の先にあるのは…

車…


車の後ろ座席には…

赤いランドセルを背負った…


侑。




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