題名のない怖い話
侑が…
消えた…
「ゆ…う…」
車を道路の端に止めて
後部座席に手を伸ばす。
「ゆう…ゆう…」
”ママ…侑ちゃんね…早く一年生になりたいな・・・・”
”ママ…侑…一年生になりたいよ…”
「ゆう…?」
後部座席には
赤いランドセルが残っていた。
まだ背負っていた温もりがある、
背中の部分が温かい
真っ赤なピカピカの
侑の…
ランドセル…
「ゆう!隠れてないで!出ておいでよ!」
―――――。
「まさか!窓から?!」
窓は鍵がしまっている。
”ママ…侑ちゃんね…早く一年生になりたいな・・・・”