ドラゴン・テイル【外伝】

 言われるがまま、キスティンがクーパに跨る。

 キスティンが背に乗ったことを確認したクーパは、『落ちるでないぞ』と呟くと、ウル達の方へ助走もせずに飛び上がった。

「おぉぉぉぉうッ?!」

 クレイグの漏らした声が消えると同時にウル達のいる通路に着地する。
 直後、キスティンがクーパの背から転がるように降りてきた。

「キスティンッ! 大丈夫?!」

 バランスを崩し、地面に倒れ込みそうになるキスティンをレナが支える。

「だ、大丈夫……、ビックリしたぁ…ッ!
 ちょっとクーパッ! 飛ぶなら飛ぶって一言言いなさいよねッ! 心臓止まるかと思ったじゃないッ!」

 勢いよく怒るキスティンに、チラッと視線を向けるクーパ。

『済んだことは気にするな。それよりも、ここから出たいのだろう……?』

 クーパの言葉に、キスティンの表情が怒りから驚きへと変わった。

「出口があるの?!」

 全員の視線がクーパに集まる。

『我は地の精霊クーパだ。地に力を干渉させれば、洞窟に穴を掘るなど造作も無いこと……』

 そう呟くと、スタスタと通路の奥へと進んでいった。

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