ドラゴン・テイル【外伝】
クーパの後を追い、再び記憶の泉がある空間へと出る。
「ふぁ……すっごーい……」
キスティンの呟きが空洞内に反響する。
「おぉぉ……! この水、光ってるぞ!
さっきも来たけど気付かなかったな…」
来て直ぐ引き返したクレイグも、改めて見渡す空間の中の景色に感嘆の声を漏らした。
キョロキョロと、物珍しそうに視線を巡らせる二人を横目に、クーパは迷うことなく奥の方へと足を進める。
壁の前まで行くと、足を止めて何かを調べるように鼻先を壁に近づけて匂いを嗅ぎ始めた。
その様子を全員が黙って見守る。
しばらく匂いを嗅ぎ続けたクーパは、壁に向かって大きく咆哮をあげた。
すると、目の前の壁が鈍い地響きをたてながら、クーパの表面の位置に大きな通路を作り始める。
「ッな……?!」
「すげぇッッ!」
「まるで壁が生きてるみたいだな……」
「クーパ、偉いわッ!」
目の前の光景に驚愕しながら、それぞれが口を開く。
完全に「通路」となり動きを止めた壁の中を、ラーマが覗き込んだ。
「登り階段か……。
先は暗くて分からないな」
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