ドラゴン・テイル【外伝】

□人間とドラゴン

　ラウラは、窓から外を見た。

　あの変な青年はもういないようだ。

　それにしてもここ最近は来訪者が多い。少し前に怪我をしたエルフとまだ幼いピクシーを連れた人間が来たし……。

　この辺りで何かあったのだろうか？

　そういえば、この前も変な地震があったなぁ。地殻変動でも起きてるのだろうか。

　窓から、部屋の中に視線を移す。

　壁に掛けられた銀色の弓が目を引いた。

　ラウラは¨ハンター¨だ。

　モンスターを狩り、金にする仕事をしている。¨狩人¨と呼ばれるハンター。


　この村で二、三回程仕事をしたが、ラウラは正直驚いていた。

　北の国はモンスターが少ないと聞くが、予想以上に多い。

　村の人曰(いわ)く、最近になって急激に増加したらしいのだが理由は分からない。

　もしかしたら、少し前の地震も地殻変動ではなく、そう言った生態系の変化に何か関係しているのかもしれない。

　だが、ラウラにとってはどうでも良いことだ。モンスターが増えれば、仕事も増える。どちらかと言えば有り難い変化とも言える。

　弓に手を伸ばす。後一つ、頼まれた仕事がある。

　─ブルードラゴンの討伐。

　最近、蒼いドラゴンが山を徘徊し、時折モンスターと騒動を起こしているらしい。
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