ドラゴン・テイル【外伝】
「私、ラウラ。この前は素っ気ない態度取っちゃってごめんね。あんたの名前は?」
「気にすんなよ。俺はヴァルザック。
ヴァルって呼んで。ウルもな」
よろしく、と軽く握手を交わす二人を見ながら、ウルは口を開いた。
「そろそろ寝床探さないと暗くなるぞ」
「それもそうね」
言ってから、ラウラが辺りを見渡し、
「っていうか、ここで良いんじゃない?
見通しも良いし。ここで火を焚けば……って、ダメ?」
ヴァルザックも、ラウラ同様に辺りを見ながら頷いた。
「そうだな。ここならモンスターが襲ってきてもすぐに分かるし、いざ襲われても俺がドラ───」
「そうかおまえドラ焼きが好きなのか」
突然言葉を遮ったウルに、二人の視線が集まる。
「なに急に……」
怪訝そうな顔で言うラウラと対象に、ヴァルザックはハッとした顔。
「あ、あぁッ! そう! 俺、すっげぇドラ焼き好きなんだッ!」
ヴァルザックまで変な事を言い出し、ますますラウラは眉を寄せたが、それ以上の追求は無かった。
それぞれが夜の為に火を焚く準備を始めたり、寝る場所を確保したりと動き出す。
集めた古木に火が灯ったのは、もう辺りに闇が満たされた頃だった。
.