ドラゴン・テイル【外伝】
「──って、ほとんど金貨じゃねぇか…。
本当に俺の物なのか…?」
「嘘ッ! ウルってば実はお金持ち?!」
横から同じように覗き込んだラウラが、目を大きく開きながら言う。
「俺がそんなの持ってるわけねぇだろ? だとしたら、お前の忘れ物以外に考えられねぇし…。違っても良いじゃん?
貰っとけば?」
軽く言うヴァルザック。
うんうん、と隣でラウラが頷く。
「そうか……じゃ、貰っとくよ。
ありがとな、ヴァル」
一言、お礼の言葉を述べてから、腰に巻いたベルトに袋を結び付けるウル。
それを見届けてから、ヴァルザックが口を開いた。
「さて……。で? 今からどうするんだ? 向かう先とか、決まってんの?」
ウルとラウラが目を合わせ、その問いに答える。
「機械都市に行こうかって話してたの」
「とりあえず、馬を手に入れないとな」
ウルとラウラの言葉に、ヴァルザックが眉を寄せた。
「オルモーズに行くのか? あそこは今、街自体が封鎖されてなかったか?」
「えぇぇッ?! な、何でッ?!」
ラウラが声を大きくして問いかける。
「確か、機械の排出する物質が空気を汚染してたとかで。人体にも影響があるかもしれないからって、街の門は全て閉ざされたとか聞いたけど……」
「その街は、つまり現在ゴーストタウンって事か?」
ヴァルザックの言葉を黙って聞いていたウルが尋ねた。
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