秘密の教室
「ね、葵…本当に西高受けるの?」
澄んだ青い空
秋の雲は夏の雲みたいにもくもくしてなくて…薄くて近くにあった
「私は西高受けるよ。もう決めたんだ」
「そっか。頑張ろうね…って葵は内申で受かるか」
「……知沙、なんでって聞かないの?」
「うーん…葵がそうきめたなら、なんでもいい。葵が言いたくないなら聞かない」
本当はね
気になってるよ。
なんで葵が西高なんて受けるのか
なんで南高に行かないのか
気になるけど…
葵が話したくないなら
無理に聞こうとは思わない
葵がいいならいい。
あたしは
葵を信じてる。
簡単に決めたことじゃない
葵はずっと悩んでたんだよね
誰にも言えずに。
周りからの見えないプレッシャーが葵を追い詰めてたんだ
気付かなくてごめんね。