桜・love story
ずっと見ていても飽きない写真に、しばらく見入っていた。




「優海さん、どうですか?」




翔の声で、私は顔をあげた。




「引き込まれてしまうほど、魅力的な写真です。感動しました!」




そう言いながら翔を見ると、両手で溢れるくらいの桜の花びらを持っていた。




「どうしたんですか?」




「優海さんが写真を見ている間に地面に舞い降りた桜の花びらを集めてみました。これ、思いきり吹いてみて下さい。」




「えっ?吹く…?」




何か意味があるのかな…?



分からないまま、誕生日のロウソクを吹き消す時のように、思いきり花びらに向かって息を吹いた。




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