野球彼女

「えっとね…私告白したよ?坂口に」

ずっと頭の中でリピートされる。
何でだろう。

何であの時ズキッって胸が痛んだんだろう。
何でだろう。

坂口のこと…好き?

じゃないよね。

いやないない。

授業中そんな事をずっと考えてた。

あー…私ありえない。

友達の好きな人が好き。

なんて常識では友達を裏切ることじゃない。
ってかまだ好きじゃないよね?私。

好きとかないよね?



どこからか聞こえてきた・・・。

『自分に正直になれ!』


そんなこと言われたって…。

自分でも…好きとか分からないもの。


授業中私はそんなことばっかり考えていて、
しかも坂口の笑顔が頭にまとわりつく。

なんなのよ…。

自分に正直になれない。

そして、友達が好きなのにっていう気持ち。

自分も好きだけど。
友達も好き。


しかも友達は…しんゆう。


なんで私はこんなことばっかしなの?


1年間好きだった山橋。

本当は私。







坂口のことが…





好きだったの?



嘘だよね。


だって…


1年間山橋のこと好きだったんだよ?

何で?

ないない。


えっないよ。

ありえない。

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