野球彼女
山崎が手をあげていた。

何で?

意味分かんないよ?

私のこと嫌いでしょ?

最後みた表情はあんな悲しい顔なんだよ?

やだよ…。

バカ。

「じゃこの2人でいいな。賛成のやつは拍手しろ。」

パチパ・・・

拍手が終わると、


「今日の放課後責任者2名音楽室にて集合だ。」


「はぁーい。」

山崎はそう言った。



ホームルームも終わり、

3班の私は掃除当番だった。

「だっるいー。」

「だよねぇ…掃除とかだるい。」



「桃?」


「は…い?」


振り向くとそこには、山崎だった。


「なな・・・なに?」

「おれさき行っとくな?音楽室。」

「あっ…う…ん!私もあとでいくね。」

「おう。じゃあとで。」

「う・・・・うん。」

やけに心臓がバクバク言って、山崎に聞こえてるんじゃないかってくらいに、

「このホウキもって!」

私は男子に私のホウキをもたせて、

スクールカバンを持って、

音楽室へ走り出した。


音楽室にじょじょに近づいていくと、

だんだんと大きくなる山崎の背中が見えてきた。

「や・・・やまさき。」

「あぁ・・もも。」

「うん…。」

「掃除終わったの?」

「うん・・・終わったよ?」

「そっか。じゃ音楽室いこ?」

「う…ん。」

少し気まずい空気。

なんとかしなきゃって…

さっきから、空回り。

最悪だよ…マジで。


「-も・・・もも?」

「あっ…はい?」

「ボーッとすんなよ?熱でもあんのか?」

「ななな・・・ないよ。」

「そう?」

「う・・・・うん。」

先生の話聞いとかなきゃ。

一応責任者なんだし・・。

だけど山崎が横にいるって考えただけで…。

まともに話なんか聞いてらんないよ。

もう…私ってバカすぎでしょ。

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