野球彼女
1年前の合唱コンクールは無事終わったけれど、
見事に敗北だった。
そしてみごとに今年も敗北だった。
季節は冬。
ブレザーを羽織っていても、肌寒い。
もう12月か…。
私たちももう、卒業かー・・。
山崎とは学校はなれちゃうのかなー…。
そんなこと思うと悲しいしさみしいなぁ…。
「志望校は?」
先生に聞かれる。
「○○学校です。」
「山崎と一緒なのか。」
「そ…そうです。」
少しためらった。
「将来の夢とかあるのか?」
「今のところないです。」
なんて言ってるけど、
本当はあるんだ。
山崎に甲子園に連れって行ってもらう大きな夢。
山崎の怪我は少しづつ癒えてきて、
また山崎はエースに戻った。
だけど、もう中学3年の冬。
もう部活なんてとっくの昔に引退した。
少しさみしい学校生活もあと少しになってきた。
卒業式の練習が始まると、
卒業という実感がわいてきて、
この教室、校舎、校門、体育館、グランド。
何もかもに愛おしさを感じた。
だけど、また山崎とは違う愛おしさ…なんだよね。なんちゃって笑
卒業式はあと一週間。
この教室でこの学校であったことは
私たちが卒業しても、
私の中で、先生たちの中で、思い出になるといいななんて思ったりして。