野球彼女

新しい教室には、知らない顔ばかりだった。

当たり前といえば当たり前なのだが…。

そんな当たり前のことに少し違和感を感じたが、

黒板に張られている、名簿と、席順を見た。

私は3組。

あと・・・・。

山崎も3組。

高校に受かったことも、クラスが同じになれたことも

全部奇跡、運命って言っていいくらい。

やっぱり私たちって…

なーんて、妄想なんかしちゃったりして

「おいーもも?」


「んん?!」

突然話しかけられたこともあって

明らか私は動揺してしまう。

「何緊張してんだよ笑」

「いや…緊張してないよ?」

「お前でも緊張するときする癖あるんだよなー」

「えっ癖?」

「おう。髪の毛をくるくるするっていうか…さわるよな」

「えっそうなんだー…」

私のことよく見てくれてるんだーって思って

嬉しかった

すっごく大好きになったよ。

「でもでも、山崎にも癖あるんだよ?」

「えっまじ?」

「うん。えーとね。手をひらいたりむすんだりするんだよ」

「えったとえ悪いけど…そうなんだ。」

「たとえ悪かった?」

「おう。でもそれくらい俺のこと見てくれてんだな。ありがとな」


と、私の頭をやさしくなでてくれた。

だけど、教室でノロケムードの私たちは

注目の的だった。



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