野球彼女

「お前がいつも俺の相談乗ってもらってるから、
   いうけど…あいつの好きな人は、長谷川だよ」

ドキッ。

知っていた。
心の中では、私じゃないこと。
そして長谷川里奈ちゃんだってことも。

「そっか…もう諦める。」
私は、そう坂口にメールを送った。

山橋と里奈ちゃんは、小学校から同じで、
女嫌いの山橋も理奈ちゃんだけとは話してた。
いつも2人でいた。
そして理奈ちゃんも山橋のことを好き。
私…だめかもしんない。
ってかだめだめじゃん。

少し憎いな。

でも里奈ちゃんは私とは違う魅力を持っている。

背が高くて、ショートカット。
おまけに、ソフトボール部の学年エース。

そんな理奈ちゃんに私は勝てないよ。

勝ち負けの問題じゃないかもしれないけど。
やっぱりそう考えちゃう私。

こんな風に考えるのって私だけかな?

「♪~♪~♪」


着信音に設定している、私の好きな歌が流れる。

坂口からメールだ。

坂口にしては、返事早いなー。
そんな事を考えながらメールを開く。

「なんで諦めるんだよ?俺の好きな人なんか…
  他中だぜ?それのほうがむなしいじゃん?
  ってか俺があきらめないんだからお前も諦めんなよ。」

そんな力強いメール。

嬉しかった。

ごめん。私は諦める。

だって叶わない恋を、頑張って追いかけても、
追いつかない。
山橋は遠い。

だから私諦める。


「ありがとね。だけど私諦めるね。」

私は、そういう風にメールを送った。

あーっ何で自分が思う理想にたどりつかないんだろう。

そんなものなのかなー。

そんなものだったら街にうようよカップルはいないでしょー。?

私は自問自答していた。

多分思考回路がぶっつぶれて、まともな考えもできなくなっているのだ・・。


まったく。
期待すんなよ!自分。
期待したらそこで負け。

うぬぼれちゃだめ・・・・ってことだよ。
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