Last Love
それから、1週間後。

善彦は以前愛に話した

”大きなプロジェクト”

とやらのミーティングだとかで、

最近はまったく会って

いなかった。

彼が電話もメールも

してこない、ということは、

かなり忙しいのだろう、と

愛は解釈した。

「……ん-、

 予定、キツキツだな。」

愛も、そのプロジェクトの

余波なのか、

いつもより

ハードなスケジュールを

送っていた。

しかし、愛が気になっているのは

忙しさではなく、

本の返却期限だった。

一応、2週間となっているが、

電話をすれば、

延長もできる。

しかし、彼女は

ずっと借りっぱなし、

という状態が

あまり好きではなかった。

とはいえ、

来週はスケジュールが

つまっており、

図書館に行くことは

難しそうだった。

「…行くとしたら、

 今日しかない…か。」

今日は幸い、

早く仕事が終わりそうだった。

もうすでに本も

読み終っていたため、

今日返しに行くことにした。

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